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マニアックなレンズ群を「仮想問答」で紹介する シリーズ記事。 今回第13回目は「LENSBABY」編とする。 その名の通り、米国LENSBABY社より2000年代 および2010年代に発売された、特殊な描写 効果を備えるレンズを、6機種(7用法)紹介 していこう。 ---- ではまず、最初のLENSBABY レンズは、LENSBABY MUSE Double Glass Optic (新品+中古購入価格 計9,000円)(以下、MUSE DG) カメラは、OLYMPUS E-520 (4/3機) 2009年発売のMFティルト型レンズ(システム) では、以下、全編を通じ「仮想問答」とする。 M「ティルトというのは、アオリができる、つまり 光軸を傾ける事ができるレンズの事だな。 シフトというのは光軸の平行移動なので、 全く効能が異なるものだ。 ティルト・シフトとまとめて呼ばれる事もあるが 両者ができるものは、ほとんどが業務用の高価な レンズばかりだ、オレも持っていない。 ティルト単独、シフト単独のレンズであれば、 トイレンズから中級レンズまで、色々と売っている」 匠「簡潔にまとめてくれてありがとう。 このLENSBABY MUSEに関しては、ティルト専用 のトイレンズ相当の商品だ。 ただ、特徴があって、レンズ交換、というか 同社では「Optic(オプティック、光学系)」と 言う部品が交換可能なシステムとなっている。 以降の時代のLENSBABY社の製品群ではお馴染み の仕様だが、MUSEは、その最初期の製品だ。 ちなみに、LENSBABY社は、2004年に米国で創業 したが、最初期の製品群の数機種は通販のみの 販売形態で、日本の市場には、あまり流通して おらず、本MUSEと同時代に日本のKenko Tokina 社が輸入販売代理店を務めるようになってから、 国内での流通(新品・中古とも)が活発化した」 M「ふむ。 交換光学系(Optic)には何がある?」 匠「MUSEに関しては4種類のオプティックがある。 1、ダブルグラス (本ブログでの通称DG) →2枚のガラスレンズ使用で、最も高画質 2、シングルグラス (未所有) →1枚のガラスレンズ使用で、中間的画質 3、プラスチック (通称P) →プラスチックレンズ使用で、最も低画質 4、ピンホール・ゾーンプレート (通称PZ) →ピンホールは、いわゆる針穴写真 スイッチを切り替えてゾーンプレートの モードとすると、フレネルレンズと類似の 原理となり、ボケボケのパンフォーカスだが、 ピンホールよりも明るく、当時のカメラでも 手持ち撮影が可能な仕様。 面白い事に、どれも画角は同等の焦点距離50mm であり、同じ仕様で「画質の差で商品群を分けた」 というレンズ製品は、これが世界初だったかも 知れない」 M「ふ~ん。 F値はいくつだ?」 匠「上記、1~3は、絞りの変更が出来るが、その 方法は、レンズの中に、プレート(円板)状の 絞り部品を磁石のついた専用工具(付属)で 落としこみ、磁石でそれが固定されているだけだ。 外す場合は、同じ専用工具でプレートを抜き取る。 絞りプレートの値は、F2くらいから、F16あたり が数枚付属していたと思うが、これは旧製品の LENBABY 3Gと同じ仕様で互換性があり、旧製品の 方が多数のプレートが付属していたので、それと 混ぜて使用しているので、当初、何枚のプレート が付属していたか、わからなくなったが、恐らく 4ないし5枚程度であろう。 絞りの値は描写力にそう大きな影響は無いので 撮影時の天候や撮影場所の光量に応じて、事前に 絞りプレートを決めて交換してから持ち出す。 撮影現場での絞りプレート交換は煩雑だし、 紛失等の恐れもあるからな」 M「なんか、面倒な仕様だな」 匠「そっか? とてもマニアックだと思うけどな。 光学系だが、後年には、同社の製品機種間での 交換光学系の仕様が共通化された為、後からの MUSE用オプティックの新発売は無い。 上記の、4機種の光学系はMUSE専用となっている」 M「使い方はどうなる?」 匠「蛇腹を指で傾けてティルトの効果量を決める。 同時に、指で蛇腹の長さ(伸縮量)を調整する 遠距離撮影では蛇腹を短くし、近接撮影では 蛇腹を長くする。 で、MUSEは、従前のLENSBABY 3Gのような蛇腹 の位置ロック機構が省略されている為、手指 で蛇腹を必要なポジションで、固定(キープ) しながら、別の指でシャッターを切る。 この為、両手で完全にMUSEとカメラの全体を ホールド(保持)できるような小型のカメラで しか使う事ができず、私の場合では、SONY NEX シリーズの薄型ミラーレス機、または同等の 小型・薄型ミラーレス、それと、一眼レフでは、 4/3(フォーサーズ)機の小型カメラでしか このMUSEを使う事ができない。 手指の大きい米国人では、もう少し大型の カメラで使う事もできる(できた)であろう」 M「とても面倒だ、使いこなせるのか?」 匠「正直言って、誰にでもできるものではない、 いや、出来ない人が大半であろう。 まず、動作原理が難しい、これの描写傾向を 理解するのは、光学に関する深い知識が必要で あり、概ねカメラ中級層以上のレベルとなる。 また、撮影上での使いこなしは、腕前というか 器用さが必要とされ、ピアノやギターなどの 楽器の演奏経験を持ち、手指を個別に動かせる 訓練を積んだ人でないと、正直無理だ。 だから、知識と腕前の両者を兼ね備える必要が あり、どちらかだけでは使いこなせない。 この時点で上級者を越えるレベルが要求される。 加えて、その効果を無事出せたところで、では その独特の映像を、どんな表現に使うのか? そこは、上級者でも職業写真家層でも、正直 無理な話だ、まさしく神のみぞ知る領域だろう」 M「それは、信じられないほどに敷居が高いな。 ところで、説明書とか解説ビデオは無いのか?」 匠「説明書の内容は、あくまで米国風であり、原理等の 詳しい事は一切書かれておらず、”なんとなく”の 感覚的な説明だけだ。これではハードウェア志向 が強い日本のユーザー層では「???」となって しまう。 解説ビデオは、2010年代前半までは皆無。 2010年代後半からは、YouTube等の動画配信 システムの普及により、ネット上で、同社制作、 または販売店制作、あるいはユーザーによるもの が増えてきたが・・・ 同社製のものは、説明書同様に、感覚的な説明 のみで、ほとんど参考にならない。 また、他のビデオも、蛇腹の機能と、撮影結果 を説明するだけのものが殆どであり、例えば 「どんな被写体を、どのように撮りたいから、 どう操作するか」といった、実践的な視点で 制作されている動画は皆無に近いと思われる。 そういうビデオを見ている暇があれば、光学的 原理を理解した上で、屋外で実践練習をした方が ”タイパ”が優れる(つまり”時短”になる)」 M「ますます敷居が高い話だ」 匠「だから、2010年ごろから現代に至るまで、 同社の各種製品のユーザー評価とかでは ”買ってみたが、どう使うのか、さっぱりわからない” ”LENSBABY社のレンズは1本もまともに写らない” というビギナー評価が蔓延している」 M「後年の製品では改善されていないのか?」 匠「ハードウェア的な進化は、光学系そのものの 高画質化とかが主体である。 光学原理の応用を容易にする、とか、撮りたい 被写体をどのように撮るかを容易にする、とかの ソフトウェア/用法的な進化は全く無いので、 個人的には、どれも同じだと見なし、後継型は 何も買っていない。 ユーザー評価の内容も、長年変化が無い事から いつの時代の製品を買ったとしても、やはり ”原理理解と映像表現への応用”、”難しい操作性 への対応”ができない限り、上手く使いこなせる 人は、限りなく低い比率でしか無いと思う」 M「なるほど、これが出来る人は居ないのか?」 匠「LENSBABYS社での俗語で言えば「フリーク」 (熱中する人)と呼ばれるような、こうした製品の ファン層で、膨大な数の撮影経験や、尋常では 無いレベルの修練をした人達、それくらいの高度な 領域に近づかないと、こうした製品を使いこなす 事はできないと思う」 M「はあ・・ オレにはどう考えても無理な話だ」 匠「まあ、皆がそうだろう。 誰も上手く使いこなせないから、雑誌やネット 等のメディアでの話題に上がらず、宣伝すら 出来ず、結局、ほとんど知られずに、ひっそりと 存在している製品になってしまう」 --- さて、次のレンズ レンズは、LENSBABY Trio 28 (Sweet効果) (中古購入価格 10,000円) カメラは、SONY NEX-7(APS-C機) 2016年に発売された、3つの特殊効果を選択できる MFレンズ、各特殊効果共通で、焦点距離は28mm、 絞りは固定でF3.5、最短撮影距離は20cmである。 M「ああ、LENSBABYの使いこなしは、あまりにも 難しいので「お試し版」の製品を作った訳だな?」 匠「そうだ。前述のTilt効果の製品は最難関で あったが、後年に同社から発売された ”ぐるぐるボケ”レンズも、”軟焦点”レンズも 同様に使いこなしが困難だ。 だから、この時代、この同社製品を代表する 3つの効果を、簡単に体感できる、お試し版の 本Trio28が発売され、ユーザーがハマった効果 に対して、専用の専門的な同社製品を買って 貰えることを目指した戦略的製品だ」 M「エントリー(お試し版)レンズか? それにしては、あまり見かけないが・・」 匠「多分、売れていない。 その販売数の目安にもなる中古流通は、数年間で たった1本のみであり、それを見つけて購入した 次第だ。 また、売れなかったからか? 本Trio28の単体 発売は、ほんの2年間程で終了し、2018年からは 特殊フィルター(しかし、あまり特殊では無い) を3枚同梱した「ホリデーキット Trio28」に 商品形態を改めている。(価格は、単体発売時が 32,000円+税。ホリデーキットが37,000円+税)」 M「何故売れなかったのだ? 広告とかは無かったのか?」 匠「広告宣伝は殆ど無かったよ。代理店のKenko Tokina 社は、主に海外の多数のブランドのレンズ等を 扱ってはいるが、どれも比較的、特殊だったり 業務用だったりするので、広告宣伝をしたからと 言って、それらが一般層に売れるようなものでは 無いと思う。 海外の製造元が直接広告を作ったとしても、翻訳 の手間や、各国のユーザー層とはテイストが合わない (→前述の「感覚的な説明」、実例としては、例えば 「バターのような滑らかなボケが得られます」といった 調子。そんな説明では、日本の消費者層は、絶対に 納得しないし、それを欲しいとも思えない) また、日本での流通側製品レビュー、すなわち ”販売の為の宣伝記事”だが、これもほとんど無い。 つまり、専門的評価者層(→記事のライター)も ここまでの特殊レンズの経験値はゼロだろうから、 まっとうな評価ができない。よって、評価を辞退 するようなケースが多発するから、記事も少ない。 こういう特殊レンズのレビューを引き受けるのは、 感覚的な写真を主体とする女流写真家層のみだ。 で、仮に、女流写真家達が、ちゃんとこれを使い こなして写真を撮ったとしても、記事の内容に 技術的な説明が殆ど無いならば、それは男性の 消費者層やマニア層が、納得をして、その商品を 欲しがる状況(動機)には至らない。 まだ、この話は続くが、とりあえず、ここから このレンズの別の用法を紹介しておく」 レンズは、LENSBABY Trio 28 (Twist効果) カメラは、SONY α7(フルサイズ機) M「ぐるぐるボケ効果だな? 効果を切り替えれるならば、なかなか楽しそうな レンズにも見えるが・・ やっぱ宣伝不足か?」 匠「効果は切り替えられるが、効果量の調整は出来ない。 調整ができない特殊効果を上手く使いこなすのは、 ある意味、最難関かも知れないぞ・・ 宣伝の件だが、上記に色々課題を述べているが、 本Trio28で、何よりも問題となったのは、 それらの広報活動の課題ではなく、この商品の 戦略自体にあると思っている」 M「戦略? お試し版の商品を作るのがまずいのか?」 匠「一見して、まずくは無いが、良く考えてみろよ。 この商品が、何を「お試し」としたいのか? その対象は、LENSBABY社の、Sweet、Twist、 Velvetの(専用の)3商品だろう? だが、それらは、あくまでLENSBABY側が売りたい 商品であり、それらについて全く知らない新規の 消費者層が、お試し版を買う筈が無い」 M「あ、そうか。元々知らないのだよな」 匠「仮に、その効果をなんとなく知っていたとしても、 まさか、”ど・れ・に・し・よ・う・か・な” とか言ってTrio28のターレット(回転機構)を、 まるで、占いかクジのように廻して使うのか? それは無いだろうさ。その特殊効果を知っていて、 それが欲しいならば、お試し版なんぞは買わず、 直接的にTwistやVelvetの専用レンズを買っているさ」 M「ううむ・・ なるほど。 メーカー側が売りたい、つまりメーカー側の都合 とか”希望的観測”では、それは、お試し版には ならない訳だな。 そして、値段も高い、”お試し版”と言うならば、 せいぜい1万円迄ではなかろうか? それくらいの 価格だったら、試しに買ってみて、そこから 「おっ、ぐるぐるボケって、面白いなあ」といった 戦略のシナリオ通りの購買行動を起こすユーザー 層も出てくるかも知れないけどな」 匠「まあ、それが妥当な消費感覚の話だ」 M「では、何故これを買ったのだ?」 匠「私の場合は、既に、Sweet、Twist、Velvetの 専用レンズを所有していたが、趣味撮影において まさか、その3種のレンズを全て持ち歩く訳には いかない。 本レンズは効果の調整が一切効かない、お試し版 である事は知っていたが、「もしかして、その点は 撮影技法上でカバーできるかも? そうであれば、 1本のレンズを持っていくだけで、必要な映像表現に 合わせて効果を切り替えて使える」と思った次第だ。 そして、たまたま中古が出てきた事。 M君が言うように、この類の製品の適正価格は あくまで1万円までだ。税込み1万の中古価格で あったので、これを購入した」 M「良くわかった。オレは買わないと思うけどな」、 匠「そうか? これの原理や用法をわかって使うならば、 結構楽しいぞ・・」 --- さて、3本目のLENSBABY。 レンズは、LENSBABY Velvet 56mm/F1.6 (中古購入価格 30,000円)(以下、Velvet56/1.6) カメラは、FUJIFILM X-T1 (APS-C機) 2015年に発売されたMF標準レンズ。 M「Velvetは、ソフトフォーカスレンズだろう?」 匠「普通、軟焦点(ソフトフォーカス)レンズでは このVelvetシリーズほどの大口径レンズには ならない。 その点、レンズ構成を一般的な軟焦点レンズ よりも増やしたという設計上の工夫は見られる。 結果、これは特殊な仕様を併せ持つ仕様となり、 「ソフトフォーカス描写」「1/2倍ハーフマクロ」 「(僅かな)ぐるぐるボケ描写」という特徴がある」 M「それは凄いな! まず、「ソフト+マクロ」というレンズは、 過去にあったか? いや、オレは知らない。 これは小さい花とかを撮るのに良さそうだ。 それと、「ぐるぐるボケ」まで出るのならば Twistを買う必要が無いじゃあないか。 これ1本だけ持っておけば良いのでは?」 匠「ソフト+マクロの前例が無い事は、確かに その通りだと思う。 しかし、瞬時に「用法」を思いつくとは、さすが だなあ。フツーのマニア層は(前述のように) ハードウェア志向が強く、それが強すぎる為に メカ的な仕様ばかりに興味を持ち、その機材を 実際に「何に使うのか? どう撮るか?」などは まず考えていない。 だが、それは勿論、あまり好ましくない状態だ。 機材は写真を撮る為のものだ、集めて、飾ったり 磨いたりするものでは無いし、その性能や機能に 満足したり、それを自慢するだけのものでもない」 M「ああ、そのあたりは、最近ではオレも注意する ようにしている。 「写真を撮らないマニアは マニアでは無い」とも思っているよ」 匠「で、”ぐるぐるボケの代用”の件だが、ここは そう単純なものでは無い。 簡単に課題を言えば、軟焦点とぐるぐるボケは 両者同時に発生してしまい、個別に制御する 事は、大変困難か、または不可能に近い」 M「そうなのか? まあ、Trio28のような、切り替え スイッチが無い事はわかるが・・ 絞りを調整するとかで、軟焦点効果を消したりは できないのか?」 匠「絞りを絞ると、軟焦点とぐるぐるボケの両者が 減ってしまう」 M「なるほど。どうしても個別調整は出来ないのか?」 匠「できない訳ではないが、物凄く複雑な光学原理の 話をしないとならない、それは簡単に理解できる ものでもないし、加えて、その難しい技法が容易に 実践できるものでもない。 私も、自由自在に、それが出来るという訳でも ないので、詳しい説明は省くよ。 どうしても興味があれば、本レンズの紹介関連 の過去記事で何度か説明しているけど・・ あまりに専門的な話なので、参照記事名とかも 言わないでおくよ。 どうしても調べたい人だけ、自力で探して、 記事内容を読み込んで、その上で、その超高難易度 の技法に挑戦してみればよい」 M「なんだか意味深だな(笑) まあ、殆ど実現できないくらいに、とても難しい という事なのだろうな・・」 匠「私が思うに、LENSBABY社の設計技能自体や、 レンズの特殊な効能を実現する為の技術力は、 かなり高いと思う。 それは、個々の製品を実際に長く使ってみると、 そうした、製品実現能力に感心する事が良くある。 だけど、そうした高度な製品が、実際に発売される 段階となると、とたんに、技術的な説明が一切 省かれて、「バターのような滑らかなボケ」という 説明(宣伝)になってしまうのは何故なのだろう? 多分、それは同社の営業部門の問題と言うよりも、 米国、あるいは他の海外の消費者/ユーザー層は 技術的な説明を嫌う文化や世情なのだろうな・・ そのあたりは、”カメラの主要な生産国”の立場を 何十年間も続けてきた日本、の市場やユーザー層 とは まるっきり様相が違うのかも知れない」 M「ふ~ん、技術力は高いのか」 匠「技術力と企画力な。この両者のコラボは一流だ。 日本のメーカーでは、いくら技術力が高くても、 正直太刀打ちできない。 これまで日本が、”主要なカメラ生産国であった” という歴史やプライドをいったん捨てて、ここで 消費者が興味を持つような商品を企画してみる 事も必要かも知れない。 LENSBABY社は、ここまで述べて来たように 広報力が弱いから、いまのところ日本市場では あくまで「色物」の扱いしかされていないが、 元々企画・技術力は高いのだから、今後、その ブランドイメージが高まってくると、日本の メーカーにとっても脅威になると思う。 LENSBABYに限らず、中国のメーカーだって そうだ。特にLAOWAなどは、企画力も技術力も 相当に高い」 M「なんとなく、その話は理解できるよ。 最近の国産製品では、マニア層が欲しがる ものは皆無だしな。 もっとも、カメラはすでに「消耗家電製品化」 しているので、メーカーや流通も、マニア層 なんかは、もう相手にしていない。 でも、「いかに一般大衆に高価な商品を売るか?」 などという市場戦略ばかりでは、いずれ消費者層 から、強烈な、しっぺ返しを喰らうような気も するけどな・・」 匠「まさに、そうかも知れないな。 あながち、間違った想像では無いかとも思うぞ。 実際に、1990年代、そんな調子で、大規模な 中古カメラブームが起きてしまったからな。 その時には、まだ新品カメラでも、売れるものが あったから、メーカーはなんとか生き残れたが 今、それが起こったら、新品カメラなどで 売れるものは、何もなくなってしまう(汗)」 --- では、次のレンズ。 レンズは、LENSBABY BURNSIDE 35 (35mm/F2.8) (中古購入価格 34,000円) カメラは、CANON EOS 6D (フルサイズ機) 2018年に発売されたMF準広角「ぐるぐるボケ」レンズ。 M「これは、ぐるぐるボケ効果のみか?」 匠「いや、レンズ前面に繰り出す、ドーム形状の 第二絞りを備えていて、ゴールドスライダーと 呼ばれる操作子を動かすと、レンズに入射する 瞳径が減り、これは「ケラレ」る状態になるから 口径食(ビネッティング)による周辺減光効果を 得る事ができる」 M「ふ~ん、”蹴られる”とは特殊な効果だなあ 恐らく、前例は無いだろうな」 匠「あ、ちなみに、ケラレとは、イタリア語を語源と する外来語で、「隠れる」という意味を持つ。 あくまで俗語ではあるが、「ケラレ」あるいは 「ケラレる」が比較的正しい用法であり、日本語の 「蹴られる」では、誤った使い方だ」 M「そうなのか? 勉強になった」 匠「いや、こういう事を知るのは「勉強」では無い。 あくまで、単なる興味、または”雑学”なので 実践で役に立つ知識では無い次第だ。 実践的な話をしておこう。 まず、ぐるぐるボケのコントロールは、それの 原因となる像面湾曲と非点収差の制御が必要で それを増やすには、絞りを開け、画角を広める つまり、フルサイズ機で使う事は必須だ。 減らすのは単純に絞りを絞る、そこでμ4/3機 とかを使って画角を狭めるのは、逆に、ぐるぐる ボケを増やしたくとも、それが出来ない。 では、「第二絞り」による意図的な口径食だが、 ぐるぐるボケを出さない状態(絞りを絞る他 遠距離の平面的被写体を撮っても良い)において 周辺減光を単純に出す用法が1つ。 それと、像面湾曲と非点収差は画角の2乗に比例 して増える訳だから、フルサイズ機で画角を 広めておきながら、周辺減光効果を発生させて ぐるぐるボケを目立たなくさせる用法が存在する」 M「ぐっ・・ なにやら急激に難しい話になった。 専門用語も意味がわからないし、オレには覚えられ そうにも無い」 匠「だから、覚えなくても良いのだよ。 このレンズを買って、実際に1万枚程度も撮れば、 どんな挙動を示すかが、だいたいわかるようになる。 その挙動を、まず理解してから、原理を勉強すれば、 すぐに、その理屈がわかるようになる」 M「そんなものか? まあ、そうだろうな。 1万枚か? オレは、そこまで同じレンズで 沢山撮るかなあ・・ なんだか、聞く話が全て オレの想像を超えるレベルなので、驚くばかりだ」 匠「マニアだったら、そんなものだ。 そして、ましてや難関のLENSBABYだ、 誰よりも沢山撮らない限り、何もわからない」 M「ふうむ・・ 気の遠くなりそうな話だ。 ところで、BURNSIDEって、どんな意味だ?」 匠「LENSBABY社のある地区の(道路の)名前だ。 固有名詞だな。だから全部大文字表記になっている。 効能を示す場合は、Twist等、先頭のみ大文字だよ」 M「ほう、勉強になった。 いや、これは単なる”雑学”だったな(汗) 確かに、実践には何も役立たないや(笑)」 --- さて、5本目のレンズ。 レンズは、LENSBABY 3G (中古購入価格 10,000円) カメラは、SONY NEX-3 (APS-C機) 2007年発売のティルト機構付き特殊レンズ。 M「元祖のティルト型だな? どうして、こういうレンズを企画したのだろう?」 匠「この数年前に、ティルトレンズ+画像編集、により 普通の風景を、まるでミニチュア、あるいはジオラマ のような映像表現にする写真家が人気となった。 だが、ティルトレンズは業務用の高価なモノしか 存在していなかったので、それを一般層にまで 広めようとする企画だろう。 そして、それの実現は、このレンズの外観を見て わかるように、かなり複雑な機構を必要とした。 前述した「LENSBABYは企画も技術も凄い」という 1つの典型例だな」 M「だけど、このレンズの時代では、まだ流通形態も しっかりしていなかったのだろう? それにしては1万円と、安価に買っているなぁ」 匠「話が逆だよ。 さっき、M君も「この手のレンズは1万円まで」 と自分で言っていたじゃあないか。 だから、1万円で売っていたから買った訳であり、 それよりも高ければ、事前の検討段階で既に 「コスパが悪い」と見なし、買う事は無いよ」 M「ああ、なるほどね。 でも、買ってもみないで買う前に、そのレンズの 適正な価値や価格(相場)が想像できるのか?」 匠「数百本もレンズを買っていれば、だいたいその あたりの価値感覚がわかるようになる。 1本や2本のレンズを買っただけの経験値では、 ”レンズの価値を自力で見抜く事ができそうにない” という不安要素が、むしろ「だったら、一番人気 があって、一番高価なモノを買っておけば安心だ」 という購買論理に繋がってしまい、それはビギナー 層にありがちな消費行動だから、とても腕前には 見合わず、十分に性能を引き出して使いこなせない 高価すぎる機材を買ってしまう訳だ。 それでは「最もコスパが悪い状態」となってしまう」 M「なんだか耳が痛い話だ。 オレにも、少し、そんな要素がある。 自力で、機材の価値を見抜くのは困難だと思う」 匠「で、このレンズの話だが、特に現代において、 これを「指名買い」する必要は無い。 独特の構造は、操作性の悪化を招き、冒頭紹介 のMUSEよりも、さらに物理的な使いこなしが 困難だ。 特に難しい(または、非効率な)操作性は、 本レンズの蛇腹は、手指による、その伸縮操作 だけでは、レンズの持つ、最短撮影距離から 無限遠撮影までの距離レンジ(範囲)に対応して いない。 すなわち、最近接撮影をしたい場合は、 レンズ前部にある、補助ピントリングを若干 繰り出さなければならず、その状態では無限遠に ピントが合わないから、遠距離撮影に切り替える 時は、補助ピントリングを、またねじ込まないと ならない。 これは、かなり煩雑な操作となる、か、あるいは そもそも、この操作の意味がわからないかもしれない」 M「つくづく、どれも面倒なレンズだなぁ・・・」 匠「まあだから、この記事で紹介しているレンズ群は どれも、「これを買う事を推奨する」とは一言も 言っていない。 買ったところで、上手く使いこなせない事は明白だ」 、 M[よ~く、わかった」 --- では、今回ラストのLENSBABY レンズは、LENSBABY Twist 60mm/F2.5 (新品購入価格 39,000円)(以下、Twist60/2.5) カメラは、SONY α7D(フルサイズ機) 2016年発売のMF標準「ぐるぐるボケ」レンズ。 M「もう、どれもややこしいレンズばかりで、 説明を聞くのも嫌になってきたよ(汗)」 匠「まあ、そういう感じ(理解できない)だから、 ”LENSBABYは、1本もまともに写らない”とかの ビギナー評価が蔓延してしまう訳だ。 使いこなせないのは、オーナー本人の問題だ。 自からの問題を公表し、ましてや他に責任転嫁を しようとするのは、なんと情けない状態だ。 M君も、そんなビギナー層と同じになりたいのか?」 M「いや、そう言われても、1本もLENSBABYを持って いないから、何も言いようが無い」 匠「もし、少しでも興味があるならば、実際に買って それを十分に使い込んで、そこから意見や評価を 言うべきだ。 逆に、まったく興味が無ければ、もう絶対に 無視し、中途半端な意見や評価をするべきでは無い。 その点、さっき前述したが「専門評価者層」とかは 「自分には評価は無理だ」と、レビュー記事執筆を 辞退する訳だから、それはある意味、自分のスキル や志向性を良く理解している訳であり、その点は まあ、さすがに専門家だと思う。 だけど、カメラやレンズ以外の市場分野では、 そんな風な「中途半端」な評論家とかを良く見かける。 その市場の商品の事を、知っている視点から見ると、 ものすごく出鱈目で中途半端で、不快に感じる程の レビュー記事等を良く見かける。 もう、こういう場合は最悪だな、不快と言うより 商品を売る為のレビュー記事として、全くの逆効果 になっていると思う、そういう「ケチがついた」 記事とかでは、その評価内容は全て信用できずに むしろ正反対に、課題だらけの商品に見えてしまう」 M「それは、カメラやレンズのレビュー記事でも同様 では無いのか?」 匠「アハハ・・・ 実際のところは、その通り。 だけどまあ、そこを追求しても意味が無いし、 誰も得もしない。結局、一部の読者層は、そこに 気づいているわけだから、それで良いではないか。 信頼性の無い情報に翻弄されて、無駄な出費を するも、しないも、そのあたりはむしろ、スマホの 普及で、ネット文化も身近になった、ここ10数年 でのネットユーザーであれば、ネット上の情報には 色々と「裏の意味」がある事は、良くわかっている 事だろうさ。 何もわかっていないのは、もう「自業自得だ」と 誰もが知っているさ」 M「まあそうだな。 えっと・・ 何の話だっけ、ああ、ぐるぐるボケか。 これは、どんな、ぐるぐるボケレンズだ?」 匠「描写傾向とか、そんなのは、言葉で説明できる かいな(笑) 事実だけ客観的に言えば、同社製のぐるぐるボケ レンズは、Twist60と、そのオプティック仕様版、 BURNSIDE35、Trio28に内包されるTwist効果の 4機種があるが、その中で最も、ぐるぐるボケの コントローラビリティが高いのが本Twist60だ。 まあだから、単純にぐるぐるボケの効果の出る レンズが欲しければ、このTwist60は悪く無い。 もっとも、他社製品でLomography New Pezval 55mm/F1.7Ⅱという製品があり、そちらの方が コントーラビリティが高く、使い易いと思うので その両者の二択となるだろうな。 なお、本製品の紹介サイトにある言葉を引用すれば ”ねじれた渦巻き状のボケで背景から被写体を解放します” とある」 M「ぐっ・・ これが、いわゆる感覚的な言い回しかぁ。 それでは、消費者層は、意味がわからないな。 そして、これでは評論家層も、メーカーの文言を コピペするだけのレビュー記事も書けない訳だな。 いやあ、何か、全てに”歪み”がある事が、だんだん わかってきた」 匠「まあ、そういうことだよ、この「歪曲収差」は 補正が大変だ(汗) これ以上の”負の説明”は、もうやめておこう。 全てが、”わかっている人だけが買えば良い製品” という状態に集約されていく・・・」 M「逆に言えば、”わからない人は買うな”という事 になるな・・ やっぱ、オレは買わないでおこうか」 匠「どうぞ、ご随意に。 後になって、”欲しくなった”とか言うなよ(笑)」 ---- では、本記事は、このあたりまでで。 次回記事の内容は未定としておく。
by pchansblog2
| 2026-03-10 08:45
| 連載中:レンズグルメ中級編第一部
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